世の恋愛マニュアルには、心理学のテクニックがたくさんのっています。
セールス心理術である、 ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(最初に一度断ってしまうと、二度目の頼みが断りづらいという心理をついたテクニック)なども、よくナンパで使われていますね。ミューカはひっかりませんけど(笑)
恋愛テクニックはおもしろいし、ミューカも大好きです。ついつい、そういった本に手を伸ばしてしまいます。
でも、ふと思うときがあるんです。
心理学テクニックって、人間の本質を見ているようで、実は大切なものを見失ってるんじゃないかな、と。
■セールスや詐欺にも使われている心理テクニック
ミューカのマンションに、「水道管の無料点検でこのマンションを回っています」とドア越しに業者がやってきました。
でもそのような点検作業や工事はあらかじめマンション側から知らせがきます。
「へんだな」と思って、ミューカはドアを開けずに話しました。
「うちは結構です」
「・・・へ?」素っ頓狂な声。
「結構です」
「・・・他の住人の方にも回っているんですが」
ここで、一瞬ミューカの心は揺れました。
みんなが点検受けてる・・・という言葉に、マンション側の知らせがウチだけ届いてないのかな?ウチもやらなきゃいけないのかな?と揺れ動きました。
でも、なんとなく、相手がうさんくさいのです。
ミューカが黙っていると、「もしもし?」といって苛立たしげに聞き返してくるのです。
「ドアを開けてくれませんか」
といってきます。
一度家に入れてしまうと、追い返すのは至難の業です。これがドア・イン・ザ・フェイス・テクニック。
「あの、ウチは結構ですから」
「なんで入れてくれないんですか」
最初の申し訳なさそうな声とは一変。相手は怒ったような声をだしてきます。
ちょっとミューカも怖くなってきますが、ますますドアを開けないほうがいいに決まっています。
そもそも水道局やマンションと提携してる業者なら、こんな態度はしないはずです。
このような口ぶりは、相手に罪悪感を感じさせるテクニックです。家の中に入れないことがさも悪いことのように、感じさせます。
私たちはなるべく悪者にはなりたくない傾向があります。
実際「ドアを開けない」ということは、何も悪いことではありません。それをさもヒドイことのように言うことで、相手の気持ちを揺さぶるのです。
ミューカは、これはもうズバリ「リフォーム詐欺」だと思いました。
ミューカは無視することにしました。
しばらくしたらいなくなったみたいです。
きっと捨て台詞吐いて行ったでしょうね(笑)
後日、マンション側の知らせでやはりあの業者がリフォーム詐欺をしている業者だとわかりました。
お年寄りの住人はだまされてしまったみたいです。ひどいですよね。
とまあ、何も恋愛に関係ない話をしてしまいましたが、
この詐欺の手口に、たくさんの心理テクニックが使われているのに気づきましたよね。
まず、さも水道局の点検作業を装って「無料点検」といっていますね。
実際は、リフォームさせるためのセールスなのに、です。
無料といった言葉を聞くと、「得できる」または「自分だけ損したくない」という心理になります。これをついたテクニックです。あちこちで使われています。
次に「みんなもやっている」という言葉です。
これには多くの人が、ドキっとしていまうのではないでしょうか?
「多くの人がやっているんだ、あなただけは違うんだ」と指摘されるのを、私たちは恐れています。
私たちは、自分が大多数意見であるということを信じている傾向があるそうです。フォールス・コンセンサスというらしんですが。
それが突然、「あなたはみんなと違う」と指摘されると、「みんなと同化したい」という気持ちに揺れ動いてしまうのです。
そのような心理をついた、「知名度の低い会社」ほどよくやるテクニックです(笑)
でも実際「みんな」という言葉は、あまりにも抽象的で、結局幻想なんですよね。
それからさっき書いたとおり、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックですね。
確かに心理テクニックというのは、効き目があります。
人の心を動かせたような気持ちになります。
彼らはきっと、心理テクニックを駆使して人の心が分かったようなつもりになっているかもしれません。
でも彼らは大切なものを見失っています。
人の心というのは、心理テクニックだけで動かせるような機械的なものではありません。
実際、ミューカのようにほんのわずかな遊び程度の心理学の知識がある人なら、見破ってしまいます。
心理テクニックというのは「自我(エゴ)」を増大してしまいます。
こうしたい、ああしたい、という気持ちばかりで、相手を思いやる気持ちを見失ってしまうのです。
■ 人の心を動かせるのは「誠実」さ
マーフィー博士の本にこんなようなことが書かれていました。
あるサラリーマンは、自分が本当にオススメだと思ってる商品、
しかもお客さんに本当に必要だと思えるものしか売らない、という信念がありました。
はじめは成績に結果がでなかったでしょう。
でも彼は信念を貫きました。
数年後、彼は誰よりも稼ぐ営業成績ナンバーワンになりました。
彼はお客さんに誠実に接することで、なんでもかんでも売りつけていた同僚たちより、大幅に成績をあげたのでした。
彼は、豊かで、そして人から信頼され喜ばれる、幸せなセールスマンになりました。
もし彼が、目先の結果だけにとらわれて、信念をまげていたら、こうはならなかったのです。
誠実さなしに心理テクニックだけを使うと、結局は人の心を見失います。
このリフォーム詐欺は、「人を騙してやろう」という気持ちから心理テクニックを使いました。
中にはひかかってしまった人もいるでしょう。ミューカのように警戒して、追い返した人もいるでしょう。
どっちにしろ、いつかはみんな気づくでしょう。このまま長く続くはずがありません。
警察にも捕まるはずです。
「誠実さが大切」
なんて教科書のような一般論を言いたいわけでありません。
ミューカはそのようなお説教が好きではありません。
しかし、人に好かれたいと思うなら、人に何かしてもらいたいと思うなら、
誠実に相手に接することが一番の方法である、というのは事実です。
最初は自分だけ尽くして、見返りがない・・・と感じるかもしれません。
でも、相手を思いやる気持ちというのは、いつかかならず日の目を見るときがきます。
ミューカは心理テクニックを否定しません。むしろ大好きです。当サイトでも紹介しています。
でも、それだけでは、いつか限界がきます。
ちょっと見る目のある男性なら、すぐに見破ってしまいます。
あなたが相手を思いやる誠実な気持ちで接すれば、必ず相手も答えてくれます。
これが心理テクニックだけでは見えてこない、「人の心」というものではないでしょうか?
むかし見たドラマで、主人公の名うての口説き屋の男性がこういってました。
「女を自分に惚れされるには、まず自分がその女をとことん愛することだ」
ナンパ男に聞かせてやりたい台詞ですね(笑)
|
|